機器がプリンターインクなどの消耗品をチェックし、残り少なくなると自動注文する「DRS(Dash Replenishment Service)」や、外部企業のサービスとも連携するクラウドベースの音声アシスタント「Alexa」など、米Amazon.comはそのプラットフォーム展開を幅広く進めている。ここ最近は本業の書籍販売や電子商取引(EC)にいっそう力を入れ、その地位をより強固なものにしようとしている。
最大72億円規模の電子書籍販売契約
米Wall Street Journalなどの米メディアによると、Amazon.comは最近、学校向け電子書籍の販売で米ニューヨーク市と大口契約を結んだ。
これは電子教科書をはじめとするざまざまな電子書籍コンテンツを、Amazon.comがニューヨーク市の学校に3年間提供するというもの。その取引金額は1年目が430万ドル、2年目が860万ドル、3年目が1720万ドルと見込まれており、合計金額は約3000万ドル(約33億5340万円)に上る。またこの契約には期間延長のオプションがあり、その場合は今後5年間で6450万ドル(約72億1000万円)となる。
ニューヨーク市教育局のWebサイトによると、同市は1800以上の学校と110万人の児童・生徒を抱える米国最大の学校区。今回の契約は、書籍コンテンツのみが対象で、KindleといったAmazon.comのハードウエア製品は含まれていない。だが、数百万人という若い生徒や児童を将来、自社の機器やサービスに取り込める可能性があり、こうした教育市場はAmazon.comのようなテクノロジー企業にとって魅力的なターゲットだと伝えられている。
またAmazon.comはこれ以外にも、教育市場を対象とした販売強化戦略を進めている。そのうちの1つが、大学との提携。同社はマサチューセッツ大学アマースト校やパデュー大学などと提携し、大学と共同ブランドのECサイトを運営し、学生に教科書などを販売しているほか、大学キャンパス内にECサイトを通じて注文した商品を受け取れるピックアップセンターも設置している。
本記事は、日経BP社の総合ITサイト「ITpro」向けに弊社が執筆した記事「本業の書籍販売とEC事業で攻勢かけるAmazon.com」の一部です。全文は、ITproのサイトにてお読みください。