新型コロナウイルスの感染拡大への対応で各国政府は、人と人との間隔を空け、接触機会を減らすよう努める「ソーシャル・ディスタンシング」を指示している。自宅待機や在宅勤務などの措置で外出が制限される中、SNS(交流サイト)の利用が急増しているという。
利用急増が収益につながらず
米フェイスブックは2020年3月24日、同社サービスの利用がこの1カ月で急増したと明らかにした。分析担当バイスプレジデントのアレックス・シュルツ氏とエンジニアリング担当バイスプレジデントのジェイ・パリク氏によると、多くの国でメッセージ件数が50%以上増加。感染者が多い国では対話アプリの「Messenger」と「WhatsApp」の音声・ビデオ通話が2倍以上増えた。イタリアでは各アプリの利用時間が70%増え、グループ通話の利用時間が1カ月で11倍超に増えたという。
米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)も最近の電話会見でトラフィックの増加を明らかにしていた。同社のサービスでは毎年12月31日にトラフィックが急増するが、ここ最近は新型コロナウイルスの影響で、それを大きく上回る水準に達しているという。
ところが、こうした利用急増が広告の収益増につながっておらず、むしろ同社の事業は打撃を受けていると、シュルツ氏とパリク氏はブログで述べている。利用が伸びた「Messenger」や「WhatsApp」はもともと、収益化に直接寄与していない。「Facebook」向け広告事業は、外出禁止令などの強力な感染防止措置を取っている国で打撃を受けているという。「世界の多くの企業と同様に我々のビジネスにもマイナスの影響が及んでいる」としている。
本記事は、日経BP社の技術とビジネス変革の最前線を伝えるサイト「xTECH」向けに弊社が執筆した記事「新型コロナでSNSの利用急増、それでも米Facebookの広告事業に大打撃なワケ」の一部です。全文は、xTECHのサイトにてお読みください。