アマゾン・ドット・コムは先ごろ、英国のサービスで米ビザのクレジットカードの取り扱いを終了すると発表した。理由は「ビザのクレジット決済手数料が高いため」(同社)。アマゾンの広報担当者は「ビザの手数料は高止まりするのみならず、上がってさえいる」と批判した。
アマゾンの交渉戦術か
一方で、アマゾンは最近、米クレジットカード大手のアメリカン・エキスプレスやマスターカードと交渉中で、米国でビザとの提携解消も検討していると報じられている。
ロイターによると、こうしたアマゾンの動きについて、ビザとの交渉における「戦術」とみるアナリストも少なくない。だが、今回のアマゾンの決定は、「消費者に多様な決済手段を提供する小売大手が、決済サービス市場で優位に立ちつつあることを示している」とロイターは報じている。
アマゾンは今後、この決定を撤回する可能性もある。ビザの英国クレジット決済額のうち、アマゾンの取引額が占める比率は1%にも満たず、ビザが受ける影響は比較的軽微だとみるアナリストもいる。だが、それでも今回のアマゾンとビザの対立はクレジットカード業界に悪影響を及ぼす可能性があると指摘されている。
米投資銀行パイパー・サンドラーのアナリストは、「アマゾンは今回のビザへの対応を実験とみているようだ。アマゾンは他の地域でビザから譲歩を引き出そうとしているのではないか。我々はこのことに注目している」と話している。
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