2022年1月3日の米株式市場で米Apple(アップル)の株価は一時182.88ドルと過去最高値を更新し、時価総額が3兆ドル(約346兆円)を突破した。3兆ドルの大台超えは上場企業として世界初。ロイターによると、スマートフォン「iPhone」でベストセラー製品を市場に投入し続けながら、自動運転車や仮想現実(VR)などの新市場を探究するアップルの姿勢に投資家は信頼感を抱いているという。しかし、主力製品であるiPhoneについては、アップルの長期戦略の先行きに暗雲が垂れ込めていると指摘されている。
世界的なサプライチェーン問題
業績が好調なアップルだが、同社をはじめとする電子機器メーカーは世界的なサプライチェーン問題に直面している。アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は2021年10月の決算説明会で「業界全体の半導体不足と、東南アジアの新型コロナに伴う製造上の混乱があった」と説明。21年7~9月期における製品供給制約による逸失売上高は約60億ドル(約6900億円)で、4~6月期の30億ドル(約3460億円)弱から倍増した。10~12月期はさらに悪化すると同社はみている。
一方、iPhoneの生産を手がける台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業は21年10〜12月期の業績について、スマホを含む主力のコンシューマーエレクトロニクス部門の売上高が、前年同期比で15%以上減少するとの見通しを示している。同社は半導体不足がこれまでの予想を超え、22年7~9月期以降も続くと予想している。
また、ロイターによると、米中関係の緊張や貿易摩擦がアップルなどの米国電子機器メーカーの製造分野に暗い影を落としている。こうした中、アップルは台湾の電子機器受託製造サービス(EMS)大手と協力し、インドなどの中国以外での生産能力強化を図っている。
アップルは台湾大手との連携で、17年にインドでiPhoneの型落ちモデルの生産を開始した。20年には鴻海がチェンナイ工場でiPhone現行モデルの生産を開始。インド生産を本格化させた。
本記事は、日経BP社の技術とビジネス変革の最前線を伝えるサイト「xTECH」向けに弊社が執筆した記事「サプライチェーンの混乱で暗雲、iPhoneの「脱中国依存」インドで抗議に直面」の一部です。全文は、xTECHのサイトにてお読みください。