米大手企業の大半で、中間所得層の賃金が新型コロナ感染拡大前より高くなっている実態が明らかになったと、米ウォール・ストリート・ジャーナルが5月31日に報じた。
140社超の中央値、1290万円
S&P500採用銘柄のうち275社は、2021年の中間所得層報酬が19年の水準を上回った。うち150社は19年比で10%以上増加した。また、動画配信大手のネットフリックスや鉄鋼大手のニューコアを含む140社超の報酬額(年収)中央値は、少なくとも10万ドル(約1290万円)だった。
米労働省の雇用統計によると、同国の失業率は22年3月と4月に、いずれも3.6%だった。米国の失業率は20年2月に3.5%と、半世紀ぶりの低水準に改善した後、新型コロナの感染拡大で一時14.7%まで上昇したが、再びコロナ禍前の水準に戻りつつある。
22年3月の求人件数は、1154万9000件と前月から20万5000件増え、2000年の統計開始以降で最高となった。一方で、自発的離職者数も過去最高の453万6000人に達した。労働市場が逼迫する中、好待遇を求めて転職する人が増えている。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると米企業は21年に店舗やオフィス、空港のなどの業務を再開したり、受け入れ客数を増やしたりした。それに伴い雇用拡大や離職防止の必要に迫られボーナスを支給した。時間給労働者の獲得競争が業種を超えて激化しているほか、テクノロジーや財務分野をはじめとするホワイトカラー職の需要も増大している。
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