米調査会社のIDCがこのほどまとめたスマートフォン市場リポートによると、2022年4~6月の世界出荷台数は前年同期比8.7%減の2億8600万台だった。需要が低迷し、スマホ出荷台数は4四半期連続で減少した。
急激なインフレと先行き不透明感
IDCのリサーチディレクター、ナビラ・ポパル氏は「この市場は22年初めに供給制約という問題に直面していたが、一転して需要不足に陥った」と指摘する。
「生産能力が増強され、生産量が増えるにつれて供給に改善が見られたが、急激なインフレと経済の先行き不透明感が個人消費を抑制し、世界の全地域で在庫が増えた」(同氏)
こうした状況を受け、メーカー各社は、電子機器受託製造サービス(EMS)に対し、年内の発注量を削減した。とりわけ、世界最大のスマホ市場である中国での需要が低迷しており、同国メーカーは年内の生産計画を大幅に引き下げている。
IDCは、年末にかけて一部の地域で需要が回復し始めるとみている。だが、「22年のスマホ市場の見通しは今後、確実に数ポイント下方修正される」としている。その一方で「現在の需要減は、失われる需要ではなく、単に先送りされるだけだ」とも指摘している。
本記事は、日本ビジネスプレス社のサイト「JBpress(日本ビジネスプレス)」向けに弊社が執筆した記事「世界スマホ出荷、4四半期連続減 全地域で在庫増加」の一部です。全文は、JBpress(日本ビジネスプレス)のサイトにてお読みください。