米グーグルが主力事業の検索サービスを大幅刷新する計画だと米ウォール・ストリート・ジャーナルやロイター通信が5月6日に報じた。数十年にわたって大きな変更がなかったリスト形式の検索結果を見直すという。対話AI(人工知能)を組み込んだ競合サービスや、若者に人気のSNS(交流サイト)によって、一部で起きているグーグル離れに対処するという。
対話AI導入、動画・SNS投稿も重視
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、グーグルは検索結果の表示方法を変更し、対話AIを取り入れる。短尺動画やSNSの投稿を対象にした検索結果もこれまで以上に多く表示するという。ウォール・ストリート・ジャーナルが入手した内部文書によると、グーグルは若年層の利用者に焦点を当てており、「よりビジュアル、スナッカブル(短くて分かりやすい)、個人的、人間的」な検索エンジンを目指す。グーグルは従来、検索エンジンを通してウェブサイトを支援してきたが、刷新の一環として音声素材を拡充し、コンテンツクリエイターへの支援も行うという。
内部文書によると、これらの変更により「従来のウェブ検索では答えを導き出すことが難しかった検索語に重点を置く」としている。このプロジェクトは社内で「Magi」と呼ばれており、2023年5月10日に年次開発者会議「Google I/O」が開催されるのを前に、従業員がテストしていると、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。
脅かされる「90%超のシェア」
グーグル検索は、年間1620億ドル(約21兆8400億円)超の収益を上げる広告事業を支える主力事業である。アイルランドの調査会社スタットカウンターによると、その市場シェアはパソコン版、モバイル版ともに90%以上で、世界で最もアクセス数が多い検索サービスだ。だが、グーグルはそのルック&フィールについてこれまで最小限の変更にとどめてきた。
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