10月の終わりに米Adobe Systemsが業績予想の上方修正を発表した。2004会計年度第4四半期の売上高について,これまで4億~4億1500万ドルとしていた予想範囲を,4億1000万~4億2500万ドルに引き上げた(発表資料)。
Adobe社といえば,パソコン黎明期にページ記述言語「PostScript」を生み出し,その後「Illustrator」「Photoshop」といったクリエータ向けのソフトを市場投入,米Apple ComputerなどとともにDTP(Desktop Publishing)という言葉をもたらした企業。そうしたソフトに支えられ売上げを伸ばしていた同社だが,2000年にその勢いはいったん止まった。その後同社は新たな事業戦略を打ち出し業績回復を図った。その成果が表れ出したというわけだ。今回はAdobe社の業績とその事業戦略について考えてみたい。
■2002年に売上げの伸びが止まる
そして,このころ同社が打ち出したのが「ePaper」と呼ぶ事業戦略(現在は「Intelligent Documents」に改称)。これが奏効したのか,2003年度の売上高は過去最高の12億9500万ドルを記録した。今年に入っても好調で,第1四半期の売上高は4億2330万ドル,第2/第3四半期もそれぞれ4億ドルを超えた。今回発表した上方修正の金額を加算すると,2004年度通年の売上高は,16億4710万~16億6210万ドルとなり,新たな記録を生みそうである。
本記事は、日経BP社の技術とビジネス変革の最前線を伝えるサイト「xTECH」向けに弊社が執筆した記事「変ぼうする米Adobe,DTPベンダーから電子文書ベンダーへ」の一部です。全文は、xTECHのサイトにてお読みください。