米Appleの新型スマートフォン「iPhone 5」が好調なスタートを切った。予約受付初日の注文数は200万台超と過去最多になり、前モデルの「iPhone 4S」に比べ2倍のペースで伸びている。米Wall Street Journalによると、Appleが注文受付を開始した1時間後には初回出荷分が品切れになった。
独自の市場拡大サイクルが売れる理由
iPhone 5をめぐっては製品発表前に多くの情報が漏れており、「サプライズがないことがサプライズだった」などと揶揄(やゆ)された。それでも注文が殺到したのは、「Apple製品を真っ先に買おうとする人にとっては、サプライズは要らないからだ」とアナリストらは指摘している。
米New York Timesによると、その理由はiPhoneの製品投入サイクルにある。AppleがiPhoneの新製品を発売するのは6月から10月にかけてで、1年に1回。ところがユーザーは通信事業者との2年間の加入者契約があるため、通常、新モデルを手にするためには2年待たなくてはならない。
つまりiPhoneが前モデルに比べ大きく進化していなくても、ユーザーにとっては十分な進化になる。毎年ほぼ決まった時期にコンスタントに新製品を出すことで、Appleには常に2世代前の製品を持つユーザーからの買い替え需要があるという。
これに加え、Appleにはロイヤルカスタマーと呼ばれる熱狂的なファンがおり、そうしたユーザーが話題を広げ、他社製端末の利用者の乗り換えを促している。Appleにはこうした市場拡大サイクルがあり、同社は毎年これを繰り返しているとNew York Timesの記事は分析している。
本記事は、日経BP社の総合ITサイト「ITpro」向けに弊社が執筆した記事「賛否両論のiPhone 5/iOS 6、リリースから2週間の海外報道まとめ」の一部です。全文は、ITproのサイトにてお読みください。