先ごろ、米Appleが、かつて同社でハードウエアエンジニアリング部門を率いていたBob Mansfield氏という人物を、同社の自動車開発プロジェクトの責任者に任命したと伝えられた。
Appleはいまだ正式な発表を行ったことがないが、同社には「Titan」という、公然の秘密となっている電気自動車(EV)開発プロジェクトがあり、そこでミニバンに似たEVを開発しているといわれている。
社内で評価の高いMansfield氏
この話題を最初に伝えた米Wall Street Journalによると、Mansfield氏はデータに基づく冷静な意思決定ができ、複雑なプロジェクトも楽しんで取り組む人物。これまでに技術的に困難と見られていた製品を数々、市場にもたらしてきた。そうした人物を自動車開発プロジェクトのトップに据えたことは、Appleのこのプロジェクトが単なる研究目的ではないことを示唆していると海外メディアは報じている。
Mansfield氏はコンピューターグラフィックスチップを手がけていた米Raycer Graphicsのエンジニアリング担当副社長を務めていたが、Appleが1999年に同社を買収したのに伴いAppleに入社した。その後同氏は「MacBook Air」や「iMac」、「iPad」などのハードウエアエンジニアリングを手がけた。また同氏は2012年の組織再編で、それまでのハードウエアエンジニアリング担当上級副社長から、新設されたテクノロジー部門の上級副社長となり、無線通信技術や半導体設計を指揮していた。しかし同氏は2013年に、突如幹部チームを離れた。この時Appleは、同氏がTim Cook最高経営責任者(CEO)直属の特別プロジェクトに加わったと説明していた。
今回のWall Street Journalの報道によると、そのプロジェクトの一つは、Appleが昨年市場投入した「Apple Watch」だった。同紙によると、Mansfield氏はここ最近、時折出社する以外は姿を見せず、日常業務から離れていた。そうした中、Appleの従業員はこの7月、社員名簿への記載で、自動車開発プロジェクトに携わっているすべてのシニアマネジャーが、Mansfield氏の部下になったことを知ったという。
本記事は、日経BP社の総合ITサイト「ITpro」向けに弊社が執筆した記事「Appleが自動車開発を本格化、プロジェクト責任者に実績ある人物」の一部です。全文は、ITproのサイトにてお読みください。