このほど海外メディアが伝えたところによると、米Facebook傘下のメッセージングサービス「WhatsApp」は、中国で全面的にサービスが遮断されたという。
これに先立つ今年(2017年)7月半ば、中国当局は、WhatsAppのビデオチャットや、音声チャット、写真/ファイルの共有をブロックし始めた。一方、その主要機能であるテキストメッセージは、ほぼすべてが正常に動作していた。ビデオチャットなどの他の機能への制限が一時的に解除されることもあった。
しかし、それもつかの間。9月下旬、当局はWhatsAppのテキストメッセージを含むサービスを全面的に遮断した(米New York Timesの記事)。
ついに唯一のWhatsAppも遮断
Facebookの本体サービスであるSNSは、中国で2009年から遮断されている。同社の傘下には写真共有サービスの「Instagram」もあるが、こちらも2014年に香港で起きた反政府デモ(いわゆる雨傘運動)の際に遮断された。こうした中、WhatsAppはFacebookにとって同国でサービスが正常に機能する残り一つのサービスだった。
折しも中国当局は、中国版のSNSやメッセージングサービスに罰金を科す行政処分を下した。違法コンテンツの規制義務を怠ったというのがその理由だ。対象となったのは、中国版Twitterと言われる新浪の「Sina Weibo(新浪微博)」、中国版LINEと言われるTencent Holdings(騰訊控股)の「WeChat(微信)」、そして検索大手Baidu(百度)の掲示板「Teiba」だ。
中国共産党は2017年10月18日に北京で、5年に1度の党大会を開催する。そこで党トップに当たる中央委員を選出し、その中から政治局常務委員(最高指導部メンバー)を選ぶ。この大会を前に当局はネット上の言論統制を強化していると、New York Timesの記事は伝えている。
本記事は、日経BP社の総合ITサイト「ITpro」向けに弊社が執筆した記事「Facebookの中国ビジネス、言論統制で後戻り」の一部です。全文は、ITproのサイトにてお読みください。