先ごろ米Googleと米Facebookが2012年10〜12月期の決算を発表した。いずれの決算もモバイル広告が好調に推移しており、両社の成長性に関する懸念が払拭されつつある。
両社の決算は一部のアナリストの強気予想には届かず、最高の業績発表とは言い難いものだった。ただその内容を詳しく見ると、両社のモバイル広告事業には一定の改善が見られ、懸念されていた最悪の事態にはならないという見方が強まっている。
Google、クリック単価の低下に歯止め
例えばGoogleの10〜12月期の決算では、検索連動広告収入の伸びを表すペイドクリック数が前年同期から約24%増えた。平均クリック単価は1年前から約6%減少したものの、前の四半期からは約2%増加した。
実はGoogleのクリック単価は前年同期比で見ると、15%減、同16%減、同12%減、同8%減と推移しており、今回の決算でも最大12%減少すると見られていた。しかしこれが予想外に改善していることが分かり、投資家の間で安堵感が広がった。
昨年買収したMotorola Mobility事業を除くGoogleの本業売上高の9割超は、Webサイトによる広告収入でもたらされており、その大半が検索連動広告だ。つまり同社の売上高は検索広告のクリック数とクリック単価によってほぼ決まることになる。
そうした中、画面サイズの小さなモバイル端末の広告はパソコンに比べ広告効果が低いと考えられており、広告単価はパソコンのWeb広告に比べ3〜4割ほど低くなっている。今後、利用者が大量にモバイルに流れ込めば、Googleの平均クリック単価はさらに低下し、利益は縮小していくと見られていた。
本記事は、日経BP社の総合ITサイト「ITpro」向けに弊社が執筆した記事「何があったのか? 突如改善したGoogleとFacebookのモバイル広告事業」の一部です。全文は、ITproのサイトにてお読みください。