英フィナンシャル・タイムズは11月1日、米アップルが2021年4月に導入したアプリの端末情報追跡制限によって、SNS(交流サイト)大手4社の広告売上高が約100億ドル減少する見通しだと報じた。
専門家は、米メタのフェイスブックや米ツイッター、米グーグル傘下のユーチューブ、米スナップの売上高が2021年後半に計98億5000万ドル(約1兆1200億円)減少するとみている。
iPhone向けアプリ、広告の費用対効果低下
アップルは21年4月、利用者のプライバシー保護を目的とした新ルール「アプリのトラッキング透明性(ATT)」を導入した。アプリ運営会社に対し、行動データの計測と追跡に利用者の同意を求めるよう義務付けている。具体的にはターゲティング広告配信に必要となる端末固有の広告用識別子「IDFA(Identifier for Advertisers)」をアプリが取得する際、ポップアップ画面を出して利用者から許諾をとる(オプトイン)ようにした。
しかしほとんどの利用者は許諾していないという。これにより、各SNS上の広告は利用者の絞り込み精度が低下。広告主は、これまでと同じ広告効果を得るためにより多くの費用を投じなければならなくなった。広告技術(アドテック)を手がける米ロテームのマイク・ウーズレイ氏は次のように説明している。
「これまでは、ある男性用下着メーカーが5ドル(約570円)の商品を1つ顧客に買ってもらうために、男性1000人に広告を表示する必要があった。しかし、現在は利用者の性別が分からない。同じ効果を得るために2000人を対象にする必要がある」(同氏)。つまりiPhone向けアプリ広告は顧客獲得単価が2倍になった。費用対効果が著しく低下したというわけだ。
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