米国で感謝祭翌日(11月26日)のブラックフライデーのオンライン小売売上高が89億ドル(約1兆100億円)となり、20年の90億ドルから1%減少した。米ウォール・ストリート・ジャーナルなどの米メディアが米アドビの調査結果を基に11月28日に報じた。
アドビによると、感謝祭のオンライン小売売上高も1年前から横ばいの51億ドル(約5800億円)にとどまった。同社が12年に統計を取り始めて以来、2日間の売上高が前年実績を超えなかったのは初めてだという。
物流の停滞で配送遅延や品切れが増える中、多くの人が年末の買い物を早めに始めた。全米小売業協会(NRF)の調査によると、感謝祭前にホリデーシーズンのショッピングを開始した人は61%に上り、10年前の51%から増加した。米アマゾン・ドット・コムなどもセールを前倒しで実施し買い物期間が長期化したことで消費行動が分散化したとみられている。
実店舗の客足47.5%増
一方でブラックフライデー当日の実店舗の客足は19年から28.3%減ったものの、20年から47.5%増えた。「実店舗でのショッピングは依然コロナ前の水準に戻っていないが、昨年の客足を大きく上回った」(センサーマティック・ソリューションズのシニア・ディレクター、ブライアン・フィールド氏)
客足回復の理由の1つとして「継続的なサプライチェーンの課題と出荷の遅れが考えられる」と同氏は分析する。ウォール・ストリート・ジャーナルは、「人々はコロナ禍の外出控えに疲弊しており、消費者が店舗に戻ってきた」とも報じている。
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