欧州連合(EU)の欧州委員会は4月23日、巨大IT(情報技術)企業に違法コンテンツなどへの対応を強化するよう義務づける「デジタルサービス法案(DSA)」で、欧州議会などと合意したと明らかにした。違法コンテンツの削除を義務づけるほか、オンライン広告についても規制を課す。
ネットサービス企業への規制強化
フォンデアライエン欧州委員長は「歴史的合意」と表現し、「DSAはEU域内の全オンラインサービスの基本原則を刷新する」と述べた。また欧州委で競争政策を担当するベステアー上級副委員長は、ツイッターへの投稿で「オフラインで違法なものはオンラインでも違法と扱われるべきだ。これはもはやスローガンではなく現実になった」と述べた。
DSAでは児童ポルノなどの違法コンテンツやヘイトスピーチ(憎悪表現)、偽情報、違法商品・サービスなどの速やかな削除を義務づける。また性別や人種、宗教などの個人情報を基にしたターゲティング広告を禁じる。子供を対象にしたターゲティング広告も禁止する。
米ウォール・ストリート・ジャーナルや米CNBCによると、利用者を操り、商品やサービスに関する意図しない同意や行動を促す「ダークパターン」も禁ずる。
巨大なIT企業や検索エンジン企業に対しては、ロシアのウクライナ侵攻などの危機的事態の際に、しかるべき管理体制を導入するように求める。
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