米アマゾン・ドット・コムは8月5日、家庭用ロボット掃除機「ルンバ(Roomba)」を手がける米アイロボット(iRobot)を買収することで最終合意したと明らかにした。今後、アイロボットの株主や規制当局の承認を経て買収手続きを完了させる。これにより、アマゾンは家電事業の強化を目指す。
需要減や供給制約、ドル高で業績悪化
買収額は負債を含めて約17億ドル(約2300億円)。アマゾンは全額を現金で支払う。ルンバを生み出したコリン・アングルCEO(最高経営責任者)は取引完了後、CEOに留任する。
アイロボットは米マサチューセッツ州ベッドフォードに本社を置く企業。アングル氏が、マサチューセッツ工科大学(MIT)の人工知能(AI)研究所の同僚らと共同で1990年に設立した。同社がルンバの初代機を発売したのは2002年だった。20年後の22年2月には家庭用ロボットの累計販売台数が世界で4000万台を突破した。アイロボットはルンバのほかにも床拭きロボット「ブラーバ(Braava)」やプログラミングロボット「ルート(Root)」なども手がけている。
だが、アイロボットが8月5日に発表した22年4~6月期決算は、売上高が前年同期比30%減の2億5535万1000ドル(約345億円)となり、最終損益が4342万1000ドル(約59億円)の赤字と、前年同期(275万8000ドルの赤字)から赤字幅が拡大した。需要減やサプライチェーン(供給網)の混乱、ドル高などが業績に影響を及ぼした。
アイロボットは、世界の従業員の約10%に相当する約140人をレイオフ(一時解雇)し、年内に500万~1000万ドル、23年に3000万~4000万ドルのコスト削減を実施することも明らかにしていた。
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