過去1年間におよぶ米アマゾン・ドット・コム株の急落は、同社の報酬体系をかき乱しており、結果として一部従業員の報酬は想定額を大幅に下回っている。米ウォール・ストリート・ジャーナルが2月20日に報じた。
23年の報酬、想定額15~50%下回る
米テクノロジー大手の従業員報酬は通常、現金と株式で構成される。株式報酬はリストリクテッド・ストック(RS)と呼ばれる「譲渡制限付き株式報酬」の形で付与することが多い。アマゾンはオフィス職従業員に対して、報酬の大部分をこの株式報酬で支払っているが、同社株の低迷が長引いており、その価値は目減りしている。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、2023年の報酬は、アマゾンが従業員に示していた想定額を15~50%下回るという。
株式報酬の目的は、仕事の成果と自社の株価を結びつけ、企業価値向上に向けた従業員の「やる気」を引き出すことだといわれている。アマゾンの広報担当者もこれについて、「当社の報酬モデルは、従業員に株主のような思考を持ってもらうことを目的としている。そのため、総報酬が会社の長期的な業績と連動している」とし、「株価は変動するため、一定の変動リスクはあるが、長期的な視点を持つ人にとって非常にうまく機能してきた歴史がある」と説明した。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アマゾンの基本給は他のテクノロジー大手と比べて低い。しかし同社は、その差額を株式報酬で補ってきた。ある従業員は、「アマゾンでは勤務年数の長い従業員ほど株式報酬の比率が高くなる傾向がある」と話している。株式報酬が総報酬額の大半を占める人もいるという。
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