米調査会社のIDCによると、2023年1~3月期の世界パソコン出荷台数は前年同期比29%減の5690万台だった。シンガポールに本部を置くカナリスの調査では、前年同期比33%減の5400万台で、2桁減少は4四半期連続。需要低迷や過剰在庫、経済環境の悪化が要因となり、出荷台数が急激に減少した。
パソコン市場、新型コロナ前に戻る
IDCによると、上位5社の中で、米アップルの出荷台数が同40.5%減と、落ち込みが最も大きかった。ただ、首位の中国レノボ・グループ、2位の米HP、3位の米デル・テクノロジーズ、そして5位の台湾エイスースも軒並み2割以上の大幅減となった。
新型コロナ下のパソコン特需時代が終焉(しゅうえん)を迎えたことを意味しているとIDCは分析している。これにより、パソコン市場は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)前の状態に戻った。ただ、23年1~3月期の出荷台数水準は、新型コロナ流行前の19年や18年の1~3月期よりも低い。
米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、これはコロナ下における特需の反動が出たためだという。資金力のある米テクノロジー大手は需要増に応えるため、採用を増やし、在宅勤務用パソコンの予算も増やした。そして従業員は増額された手当によって高価格パソコンを購入した。
IDCによると、平均的なパソコンよりもはるかに高額なアップルの「Mac」は、世界のパソコン販売台数に占める比率が21年までの5年間で平均7%だった。しかしこの比率は22年に10%に上昇した。
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