米アマゾン・ドット・コムが自社巨大物流ネットワークの大改革に挑んでいると、米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じている。米国内で荷物の移動距離を減らして、顧客への配達を迅速化するほか、収益性の改善も狙っているという。
コロナ下で増えすぎた物流資源
アマゾンの幹部やアナリスト、出品業者によると、物流網の大幅な見直しにより、配送時間が短縮され、在庫管理が改善され、顧客が電子商取引(EC)サイトで目にする検索結果にも変化が起きた。この動きはアマゾンの利益向上にも寄与しているようだ。
アマゾンは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴うECの需要増で事業を急拡大してきた。従業員数を2年間で2倍に増やし、フルフィルメントセンター(発送センター)やソートセンター(仕分けセンター)、デリバリーステーション(宅配ステーション)などの物流ネットワークも2年でほぼ2倍に拡大した。カナダのサプライチェーン・物流コンサルティング会社、MWPVLインターナショナルによれば、アマゾンは米国全土に1000以上の物流拠点を構えている。
だがパンデミック下の巣ごもり需要が一服すると成長は鈍化した。こうしたなか、同社は過剰になった物流資源を減らすことでコストを削減しようとしている。ウォール・ストリート・ジャーナルによるとアマゾンの幹部は、パンデミック下の急激な拡大後、物流ネットワークの改革が優先事項になったと話している。
その一方で、アマゾンは配送スピードと企業成長には相関関係があるとみているという。アマゾンの物流担当副社長であるウディット・マダン氏は「より迅速な配達サービスを提供すれば、顧客が商品を買う可能性が高くなる。より頻繁にアマゾンで買い物をするようになる」と述べた。
本記事は、日本ビジネスプレス社のサイト「JBpress(日本ビジネスプレス)」向けに弊社が執筆した記事「Amazonの物流大改革 全米を自己完結型8地域に分割 迅速配達と収益改善の両立実現へ」の一部です。全文は、JBpress(日本ビジネスプレス)のサイトにてお読みください。