米アマゾン・ドット・コムが、他の事業者向け配送サービスを米国で再開したと米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)初期から中断していたが、業務の正常化に伴い、物流体制に余裕が生まれた。これにより、アマゾンは米フェデックスや米UPSなどの物流大手と再び直接競合することになるという。
アマゾン、自社物流資源をサービス展開
アマゾンの広報担当者は、「当社は常に販売パートナーをサポートする新しい革新的な方法の開発に取り組んでいる。当社の配送サービスは、顧客に迅速かつ費用対効果の高い方法で荷物を届けるための新たな選択肢。利用パートナーの数は増えている」と述べた。
これは、「Amazon Shipping(アマゾン・シッピング)」というサービスだ。18年2月に開始した当時、「Shipping with Amazon(SWA)」と呼んでいたもので、アマゾンの配送ドライバーが小売業者から集荷し、消費者に配達する。小売業者が自社のウェブサイトで販売している商品も対象にしている点が特徴だ。ただし、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、利用するにはアマゾン電子商取引(EC)サイトでも事業展開する販売パートナーである必要がある。
かつてアマゾンは、自社ECの配送業務を、フェデックスやUPSなどに頼っていたが、近年は自社物流網を拡充している。独自の配送体制を築くことでこれらの物流大手への依存度を低減している。
ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、アマゾンは物流を重要事項として位置付けている。物流は、EC事業の原動力であり、顧客との主要な接点でもあるため、アンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)は常に優先事項として捉えているという。
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