アップルはこのほど、スマートフォン「iPhone」のオペレーティングシステム(OS)「iOS」に備わるNFC(近距離無線通信)技術について、欧州連合(EU)に譲歩を提案した。
他社決済サービス・ウォレットアプリに技術開放
iOSのNFC技術は、これまでアップルのモバイル決済サービス「Apple Pay」やクレジット・ICカード管理アプリ「Apple Wallet」のみがアクセスしていた。だがアップルはこのほど、サードパーティーのiOS向け決済サービスアプリやモバイルウォレットアプリに開放する意向を表明した。EUの執行機関である欧州委員会が1月19日に明らかにした。
欧州委は、アップルがiPhoneのモバイル決済技術を独占していることを懸念し、20年6月にApple Payなどに関する本格調査を開始した。22年5月にはアップルが、iPhoneのNFC技術へのアクセスを制限していることを問題視し、EU競争法違反の疑いに関する暫定的な見解を示す「異議告知書(Statement of Objections)」を同社に送付した。
法的拘束力を持つ改善要求、制裁金は世界売上高の最大10%
アップルが今回提出した譲歩案によれば、同社は新たなルールを、EU域内だけでなく、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーを含む欧州経済地域(EEA)内のサードパーティー開発者に適用する。これらの開発者からはNFC技術の利用料を徴収しない。利用者には「優先して使用する決済アプリ」を設定できるようにする。
本記事は、日本ビジネスプレス社のサイト「JBpress(日本ビジネスプレス)」向けに弊社が執筆した記事「アップル、欧州でiPhoneの決済機能を開放へ 欧州委が技術の他社締め出しを問題視」の一部です。全文は、JBpress(日本ビジネスプレス)のサイトにてお読みください。