スマートフォンの輸出拠点として台頭を目指すインドは、部品関税の引き下げを検討している。高関税は、インド製造業を保護するのではなく、むしろ国内製造業にとって不利な状況を作り出していると指摘されている。
「メーク・イン・インディア」にアップルなど協力
英ロイター通信の2024年2月13日付の報道によれば、インドのチャンドラセカール電子・情報技術副大臣は、シタラマン財務相に送った同年1月3日付の書簡で、同国がスマホの輸出競争で中国やベトナムに敗北する恐れがあると指摘し、グローバル企業を誘致するために「迅速な行動」が必要だと訴えた。
スマホ製造はモディ政権が掲げるインド製造業振興策「メーク・イン・インディア」(インドでの製造)の重要な政策課題となっている。23年6月に訪米したモディ首相は、米アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)や米グーグルのスンダー・ピチャイCEO、米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOなど、米国とインドのテクノロジー企業の幹部らと会談し、これらグローバル企業に対し同振興策への協力を呼びかけた。
一方、アップルは、製販両面でインドを重視している。製造面では、中国への過剰依存からの脱却を図るべく、電子機器受託製造サービス(EMS)大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業などと協力し、インド生産の拡大を進めている。ホンハイは中国工場からもアップルの最新スマホ「iPhone 15」を出荷しているが、その一方で、インド工場における出荷時期を、中国工場の出荷開始からわずか数週間の遅れにとどめるなど、インドでの生産拠点と中国生産拠点のギャップを縮める取り組みを進めている。
iPhoneの最新機種は、他の台湾EMS大手がインドに持つ工場でも生産されている。和碩聯合科技(ペガトロン)と緯創資通(ウィストロン)などのインド工場である。
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