中国のIT(情報技術)大手やスタートアップ企業が、韓国サムスン電子からHBM(広帯域メモリー)を大量に買い込んでいると、英ロイター通信が報じた。米国による対中半導体輸出規制強化を前に、年初頭から購入量を増やしている。その結果、中国は2024年上半期のサムスンのHBM収益の約30%を占めたと、関係者は話している。
華為など中国IT大手やAI新興がサムスン製を購入
HBMは米エヌビディア(NVIDIA)のGPU(画像処理半導体)など、生成AI(人工知能)に利用される高度なプロセッサーに不可欠なメモリーである。ロイター通信によると、HBMを製造している主要なメーカーはサムスン、韓国SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーの3社しかない。こうした中、現在、中国企業にとってサムスン製品が買いやすい状況になっており、同社に対する需要が高まっているという。
中国で備蓄されているHBMの量や金額を正確に推定することは困難だが、華為技術(ファーウェイ)や騰訊控股(テンセント)、百度(バイドゥ)といったIT大手のほか、様々なスタートアップ企業がサムスンから購入している。最近では半導体設計企業の中科昊芯科技(ホーキング)が同社にHBMを発注した。
購入先としてサムスンを選ぶ理由には、①中国の国内技術開発がまだ十分に成熟していないこと、②他のHBMメーカーが既に米企業から、生産能力いっぱいまで受注していること、の2つが挙げられると、シンガポールに拠点を置くホワイトオーク・キャピタル・パートナーズの投資ディレクター、ノリ・チウ氏は述べている。
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