中国・華為技術(ファーウェイ)は、AI(人工知能)向け半導体市場で競合の米エヌビディア(NVIDIA)からシェアを奪うべく奮闘している。だが、最近はエヌビディアに真っ向から勝負するのではなく、比較的難易度が低い技術分野で収益を拡大しようとしている。
エヌビディア製「HGX H20」への対抗策
英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、ファーウェイは大規模言語モデル(LLM)のトレーニング(学習)需要でエヌビディアに挑戦するのではなく、プロンプトへの応答を生成するための演算処理、すなわち「推論」で対抗しようとしている。推論はトレーニングに比べると必要な計算量が少ないとされ、自社AI半導体「昇騰(Ascend)」の需要はそこにあるとみている。
中国のAI開発企業は、米オープンAIや米グーグルといった米国の企業と異なり、エヌビディアの最先端GPU(画像処理半導体)にアクセスできない。そこで、米国の輸出規制を満たすようにエヌビディアが調整した、中国向け「HGX H20」を採用している。HGX H20は、AI向け最新機能の多くを搭載しているが、米政府の規制に準拠するため、一部の計算能力が抑えられている。それでも中国製よりも優れているとされ、同国で強い需要がある。
ファーウェイの「昇騰」に技術的な問題か
アナリストなどによると、ファーウェイの昇騰は技術的な問題があるため、LLMのトレーニング用としては、性能が不十分とみられている。

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