米エヌビディアの2025会計年度第4四半期(2024年11月~2025年1月)決算は、売上高と純利益が過去最高を更新した。AI(人工知能)ブームの勢いが衰えることなく、高性能AI半導体への需要が引き続き旺盛であることが示された。特に新型AI半導体「Blackwell(ブラックウェル)」の販売が好調で、データセンター部門売上高の約3分の1を占めた。
売上高、純利益ともに7四半期連続で過去最高更新
全社の売上高は、前年同期比78%増の393億3100万ドル(約5兆8700億円)、純利益は80%増の220億9100万ドル(約3兆3000億円)だった。売上高、純利益ともに7四半期連続で過去最高更新し、売上高は3四半期連続で300億ドルを超えた。これらの数値は、アナリスト予想を上回った。同社は、現在の2025年2~4月期の売上高が430億ドル(約6兆4100億円)前後になるとみており、これもアナリスト予想を上回った。
同社CEO(最高経営責任者)のジェンスン・ファン氏は決算説明会で、売り上げ急増の背景には、AIがより高度な計算能力を必要とする「推論モデル」に移行していることがあると述べた。
先ごろ、中国スタートアップのディープシーク(DeepSeek、深度求索)の生成AIが市場を動揺させた。同社のAIモデルが他のモデルに比べて非常に低いコストで学習できることが示されたからだ。AIのデータ処理には、膨大な量の知識を学ぶ「学習」と、その知識を基に回答を生成する「推論」がある。ディープシークのAIモデルは後者の推論に重点を置く手法で、論理的思考能力を高めたとされる。これがエヌビディアの追い風になるとみられている。
ファン氏は、ディープシークを「優れたイノベーション」と呼び、「ほぼ全てのAI開発企業がディープシークや、それに触発された技術を採用している」と説明した。同氏によれば、推論モデルは従来モデルに比べ100倍の計算資源を必要とする。同氏は「将来のモデルはさらに多くの資源を必要とするだろう」とも強調した。

本記事は、日本ビジネスプレス社のサイト「JBpress(日本ビジネスプレス)」向けに弊社が執筆した記事「エヌビディア、AIブームの勢い衰えず 売上高と純利益が過去最高更新、「推論モデル」がけん引 新型半導体「Blackwell」好調、競争激化も成長持続」の一部です。全文は、JBpress(日本ビジネスプレス)のサイトにてお読みください。