AI(人工知能)向け半導体で世界をリードする米エヌビディア(NVIDIA)のジェンスン・ファンCEO(最高経営責任者)は、今後4年間でエレクトロニクス分野に約5000億ドル(約75兆円)を投資する計画を明らかにした。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。この巨額投資は、AI技術の急速な発展を背景に、世界の経済界に大きな衝撃を与えている。
エヌビディア巨額投資の狙い
ファンCEOによれば、投資の大部分はエヌビディアが設計するAI用半導体の製造に充てられる。特に、台湾積体電路製造(TSMC)などのサプライヤー(供給網)への支出が中心となる見込みだ。また、米国内での生産を強化する意向も示しており、その額は数千億ドル(数十兆円)に上るとみられる。
エヌビディアは自社の工場を持たず、TSMCに生産を委託している。TSMCは米西部アリゾナ州フェニックスに複数の工場を設ける計画を進めている。2025年3月には新たに3つの半導体工場、2つの先端パッケージング施設、そして研究開発(R&D)拠点を設ける計画が示された。これによりTSMCが米国内に設ける半導体施設は計9つになり、総投資額は1650億ドル(約25兆円)に引き上げられた。
トランプ米大統領は、半導体への追加関税を示唆し、米国内での製造を促してきた。TSMCやエヌビディアの米国への投資は、同氏の「アメリカ・ファースト」政策と一致する。
一方、エヌビディアの大規模投資の狙いは、AI半導体の需要急増に対応し、供給体制を強化することにある。AI技術の進化に伴い、高性能半導体の需要は爆発的に増加しており、同社は市場で一層の優位性を確立しようとしている。

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