トランプ米大統領が発動した広範に及ぶ関税措置が、急速に発展するAI(人工知能)分野にも影響を及ぼす懸念が広がっている。AIサービスの提供に不可欠なデータセンターの建設に使われる資材コストが上昇し、将来的にはAI利用料金の値上げにつながる可能性がある。
データセンターに巨額投資、コスト上昇懸念
トランプ政権は2025年4月2日、全世界一律10%の基本税率に加え、ハイテク機器サプライヤーの役割を担う中国、台湾、韓国にそれぞれ34%、32%、25%と、高い税率を適用する相互関税(Reciprocal Tariff)を発表。米東部時間4月9日午前0時1分に発動した。しかしその後、後者の上乗せ部分を90日間停止し、当面は10%の基本税率のみを適用すると発表した。ただ、中国については、対米報復措置を取ったとして、それまで104%としていた関税率を145%に引き上げ、4月10日午前0時1分に発動した。
AI分野では、米マイクロソフトや米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、米グーグルなどの企業が大規模言語モデル(LLM)などのAIモデルを構築している。その膨大な計算処理は、これらクラウド企業が運営する巨大データセンターに依存している。
クラウド大手はAI需要の急増に対応するため、データセンター建設に巨額を投じており、総額は今後の計画分も含めて1兆ドル(約150兆円)近くに達するとされる。マイクロソフトは今会計年度に800億ドル(約12兆円)、アマゾンは1000億ドル(約15兆円)以上、グーグルは2025年の設備投資総額として750億ドル(約11兆円)を支出する計画を明らかにしている。加えて、米オープンAIやソフトバンクグループ(SBG)、米オラクルなどが主導するAI向けデータセンター建設プロジェクト「Stargate(スターゲイト)」には最大5000億ドル(約73兆円)が投じられる見込みだ。

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