ERP関連企業の買収について大きく報じられた先週だったが,筆者としてはその前の週の5月29日に報じられた米AOL Time Warnerと米Microsoft訴訟の電撃和解の方が大いに気になっている。世界中をあれほどまでに騒がせたブラウザ訴訟があっさりと終わってしまうからだ。米Netscape Communications社買収には100億ドルが投じられたと言われるが,AOL Time Warner社は今回,7億5000万ドルをMicrosoft社から受け取るだけでIEに鞍替えする。いったい何があったのだろうか?
ブロードバンドが世界最大のプロバイダ,AOLを揺るがす
本コラムでは昨年夏,米AOL Time Warnerの不正会計疑惑に関する話題を取り上げた。その後の同社を巡っては,とても尋常とは思えない話が相次いでいる。史上最大の巨額赤字,幹部役員の交替劇,米AOL (America Online)の業績不振である。AOLについては「ここ数年来初めての会員数減少」という事態にも陥っている。「いったいAOL Time Warnerはどうなってるの?」と考えている方も多いのではないだろうか。
IT業界の期待ははかない夢に。年内の需要回復は実現せず
先々週から今週にかけて,大手IT関連企業の決算発表が相次いだ。2002年第3四半期の業績報告である。実は今年始め,これら大手の幹部やアナリストのあいだでは「業界の景気は今年後半に緩やかに回復する」という見方が多く,「US NEWS FLASH」でもそうした観測を伝えてきた。しかし1年の4分の3が過ぎた今,これら大手IT企業の業績を見ると,それが当初の予測通りに進んでいないことがよく分かる。
米AOL Time Warnerに不正会計疑惑が浮上
日本がお盆休みだった先週一週間,米メディアを連日賑わしていた企業がある。米AOL Time Warnerである。会計処理問題,責任者の退任,経営幹部の人事異動と同社にまつわる話題は尽きない。今週に入ってからは,販売した商品を同じ条件で買い戻す「往復取引」(round-tripping transaction)の疑惑も浮上している。これら一連の報道は,折しも決算の正確性を証明する宣誓書の提出時期と重なった。
マイクロソフト vs. Liberty連合—あなたの個人情報を巡る両刃の剣
ショッピング・サイトや会員制サイトなどのユーザーIDとパスワードをあなたはいくつ持っているだろうか? こうしたサイトにアクセスする度に,IDとパスワードを入力して認証するのは,面倒と言えば面倒である。これを1回認証する […]