米国時間2008年1月16日,米Sun MicrosystemsはスウェーデンのMySQLを10億ドルで買収すると発表した。オープンソースの雄であるMySQLがSunというIT大手に買収されたことは,少なからず業界に衝撃を与えた。では,Sunの狙いはどこにあるのか,それを読み解いてみよう。
米国で注目あびるオープンソース・ベンチャー,大物が参加しVCも積極投資
先日,米Sun Microsystemsの共同設立者であるBill Joy氏が米SpikeSourceの取締役会に加わった。Joy氏はSun社の元チーフ・サイエンティスト。SpikeSource社はオープンソース・ソフトのサービス・ベンダーで,米Oracleで社長/COOを務めたRay Lane氏が2003年に共同設立した会社だ。SpikeSource社はほかにもビッグネームを揃えており,米メディアにも頻繁に登場している。オープンソースのビジネスを手がけるベンチャーに,大物が続々と参加しており,大手ベンチャー・キャピタルも積極的に投資を行っている。果たしてそんなに大きなビジネスチャンスがあるのだろうか。
オープンソースになったSolaris,Sunの狙いと成功への課題
米Sun Microsystemsが米国時間6月14日にOS「Solaris 10」を「OpenSolaris」として公開した。同社は今回のOpenSolaris公開を機にSolarisへの関心がますます高まると期待しているという。しかし,米メディアを見てみると懐疑的な見方も多い。今回は各種の米メディア情報などを見ながらOpenSolarisについてレポートする。
Solaris 10とSun Gridに復活をかける米Sun,回復の兆しは本物か
「Solaris 10」の無償提供や,オープンソース化計画,そしてCPU/ストレージをグリッドで提供するというサービスなど,このところ米Sun Microsystemsの動きが活発だ。昨年6月に本コラムでSun社のビジ […]
2004年のIT業界を振り返る—PtoP,OSS,検索戦争,和解,買収そしてセキュリティ
米IBMのパソコン事業売却,米Microsoft/米Sun Microsystemsの電撃和解に象徴されるよう,既存の巨大勢力が姿を変える一方,米Googleなどの斬新なアイディア/技術を持った企業が大きく成長,またオープンソースへの支持もかつてないほど高まっており,流れは大きく変化している。今回はそんな2004年を振り返りつつ,最新情報も交えながらレポートする。
生まれ変わろうとする米Sun,ビジネス・モデルの再構築は成功するか
6月1日,米Sun Microsystemsが中国・上海で開催した発表会「SunNetwork Conference」はいつもと趣が違った。基調講演で主役を務めたのは今年4月に社長兼COO(Chief Operating Officer)に就任したばかりのJonathan Schwartz氏。「It’s All About Network Innovation」と題した基調講演で同氏が明らかにしたのは,「ネットワーク・コンピューティングの新時代」(同氏)に向けた新ビジネス戦略。それを具体化したのが, サブスクリプション・モデルで提供する製品やサービス(関連記事),富士通との提携拡大(関連記事,「Solaris」のオープンソース化計画などである。ITバブル崩壊後の再生に失敗したと言われるSun社だが,はたして今度の戦略は起死回生となるのだろうか。
Javaを巡るSunとIBMの争点「Eclipse」とは
Javaを巡って,米Sun Microsystemsと米IBMがつば競り合いを続けている。その1つの争点として最近,注目されているのがオープンソースのソフト開発ツール「Eclipse」だ。EclipseはJavaの統合開発環境(IDE)として最も普及している。もともとはIBM社が開発していたが,2001年に同社がそのコア部分をオープン・ソース化し,そのとき立ち上げたのが同名のプロジェクトだった。
一人勝ちの米Dell,その強さの秘密は?
5月15日,米Dell Computerが好調な2003年2~4月期決算を発表した。売上高は前年同期比18%増,最終利益は31%増という勢いである。Dell社のこうした好調ぶりはパソコン市場全体を反映したものではない。Dell社だけが,なかなか回復の糸口が見いだせない市場で,一人勝ち続けているのだ。今回は,米メディアの各種情報を拾いながら,こうしたDell社の強さ,これに対抗する大手ハードウエア・メーカーの動きなどについて見てみたい。
出そろったIT企業各社のQ1決算,景気回復はいつ?
米国で先週から今週にかけて大手企業の業績報告が相次いだ。米Microsoft,米IBM,米Intel,米AMD,米Apple Computer,米Sun Microsystemsなどが2003年1~3月期の決算を発表したが,これらの業績報告を1つ1つ見てみると各社の状況は一様でない。Microsoft社やIBM社のように増収増益の企業もあるが,米Intelのように横ばい,AMD社のように売上高が大きく落ち込んだ企業もある。昨年の初め,「世界のIT業界は1年かけて緩やかに回復する」と言われていたが,それは実現しなかったことになる。
IT業界の期待ははかない夢に。年内の需要回復は実現せず
先々週から今週にかけて,大手IT関連企業の決算発表が相次いだ。2002年第3四半期の業績報告である。実は今年始め,これら大手の幹部やアナリストのあいだでは「業界の景気は今年後半に緩やかに回復する」という見方が多く,「US NEWS FLASH」でもそうした観測を伝えてきた。しかし1年の4分の3が過ぎた今,これら大手IT企業の業績を見ると,それが当初の予測通りに進んでいないことがよく分かる。