前回の本コラムで,米Googleのオープンな携帯電話プラットフォーム「Android」についてレポートしたのだが,その後,米国のモバイル市場の展開がおもしろくなってきた。今回は一連の動向を整理しながら考えてみたい。今,米国の通信業界で何が起こっているのか?
大きく動き出した米国の携帯電話業界を読み解く
米国時間2月17日,ついに米AT&T Wirelessの売却先が明らかになった。米Cingular Wirelessが総額410億ドルの現金で買収するのだ。Cingular社は,2400万人の加入者を持つ米国第2位の携帯電話事業者。AT&T Wireless社は米国第3位で,その加入者数は2200万人。今後,規制当局の調査が入るが,承認されれば今年末ごろに,首位の米Verizon Wireless(3750万人)をしのぐ,巨大携帯電話会社が誕生することになる。