米Intel、米Apple、米IBM、米Google、米Microsoftなど、いわゆるIT業界のタイタン(巨星)と呼ばれる大手各社の10〜12月期決算が出そろった。この中でMicrosoftを除けばいずれも四半期ベースで過去最高を更新した。米Wall Street Journalなどの海外メディアは、大変素晴らしい決算だったとし、法人顧客のIT投資が回復してきたことを示していると伝えている。
この2月には米Hewlett-Packard(HP)や米Dellなどの決算発表も控えており、既に出そろった大手の業績報告がその先行指標となり、業界全体の回復を期待させるというのだ。
例えば市場調査会社の米IDCは、10〜12月期における世界のIT支出の伸び率が5%となり、前年同期の3%を上回ったと報告している。企業には余裕が出ており、パソコンやサーバーなど、業務に不可欠な機器はもちろん、タブレット端末といったガジェットにも支出するようになってきたとアナリストは見ている。
Intel、法人と新興国市場の需要増に期待
Intelが1月13日に発表した10〜12月期の決算は、売上高が前年同期比8%増の115億ドル、純利益は同48%増の34億ドルで、いずれも四半期ベースで過去最高だ。新興国を中心にパソコン需要が旺盛で、サーバー向け製品も好調だった。同社のPaul Otellini社長兼最高経営責任者(CEO)は「企業のIT機器買い換えサイクルはまだ半ばにも達していない」などとし、先行きを楽観視している。
こうした傾向はIBMの決算にも表れている。IBMの場合、ソフトウエア事業が7%増と堅調で、ハードウエア事業も基幹システムの需要が大幅に伸びて21%増加した。Mark Loughridge最高財務責任者(CFO)は「不況からの脱却に伴って、企業は主要事業で支出を増やし始めた」と説明している。またIBMはITサービス事業の年末時点の受注残高が1420億ドルとなり、前年末から50億ドル、前期末からは80億ドル増えた。アウトソーシング契約が増加しており、ITインフラの需要が回復を示しているとLoughridge CFOは話している。
一方、MicrosoftはWindows部門が1年間から30%の減収となり、同社は5四半期ぶりの減益を報告したが、これは1年前に「Windows 7」の発売に伴って初期出荷分の売り上げをその前の四半期から繰り延べ計上していたためだ。この影響を除いた場合、Windows部門の収益は同3%増になり、先ごろ米IDCが発表していた世界パソコン市場の成長率と同じになる。また「Office 2010」などを手がけるビジネス部門が同24%増の60億3200万ドルとなるなど、Microsoftの決算は総じて好調だったと評価されている。
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