以前本コラムで、世界各国の規制当局が米Googleのサービスへの監視を強化しているとレポートしたが、この9月に米国でも同様の動きがあった。米テキサス州の司法当局が同社の検索サービスについて調査を進めていることが明らかになったのだ。米国の規制当局はこれまで同社の企業買収や資本、業務提携について調査したことはあったが、主力事業である検索サービスを調査するのはこれが初めてだ。
調査は競合企業の苦情を受けて開始された。苦情を申し立てたのは、価格比較サイトの英Foundem、米myTriggersと、企業情報検索サービス「SourceTool」を運営する米TradeCometの3社。苦情はGoogleが検索サービスでこれら競合企業の表示順位を不当に引き下げているというもの。このうちFoundemは今年2月に欧州委員会にも苦情を申し立てており、これをきっかけに同委員会は予備調査を開始している。
GoogleによるとFoundemは米Microsoftが関係する企業。Microsoftがスポンサーとなっているネット広告業界団体のICOMPが経営を支援している。またmyTriggersなどの2社はMicrosoftの弁護士を雇っており、このことからGoogleは2月の時と同様に、一連の苦情はMicrosoftによって引き起こされたと主張している。「Foundemなどが上位に表示されないのは、そのサービス品質が要因」などとも説明している。これに対し、myTriggersは「弁護士のことを引き合いに出すなど、Googleは問題をすり替えようとしている」と反論しており、「いじめにも似た反競争的行為に対し徹底的に法廷で争っていく」と強硬な姿勢を示している。
myTriggersはオハイオ州の一般訴訟裁判所にGoogleを提訴している。TradeCometもニューヨーク州連邦地方裁判所に提訴しており、こうした裁判で争っている企業が苦情を訴え、当局の調査が本格化するという構図が生まれている。
本記事は、日経BP社の総合ITサイト「ITpro」向けに弊社が執筆した記事「Googleへの監視がさらに強化、米国でも主力事業の本格調査開始」の一部です。全文は、ITproのサイトにてお読みください。