米Amazon.com(アマゾン・ドットコム)は薄利主義で知られる企業である。創業以来掲げる長期的成長戦略のもと、1997年の上場から20年以上にわたり、利益のほぼすべてを再投資に回してきた。そのため、売上高が右肩上がりで増え続けているにもかかわらず、最終損益は常に「わずかな黒字」か「赤字」のいずれかで推移してきた。
しかし、先ごろ発表した2018年4~6月期の決算は最終利益が25億3400万ドル(約2813億円)となり、四半期ベースで初めて20億ドルの大台を突破。前年同期の約13倍に拡大した。また営業利益は29億8300万ドル(3312億円)で、前年同期の約5倍。こちらも四半期ベースで過去最高となった。
急成長するクラウド、マーケットプレース、広告事業
利益の急拡大に大きく貢献したのは、売上高の半分以上を占めるeコマース事業ではなく、クラウドコンピューティング事業をはじめとする非eコマース事業である。例えば2018年4~6月期におけるクラウドコンピューティングサービス(Amazon Web Services)の営業利益は16億4200万ドルで、前年同期から79%増加。同事業営業利益のAmazon全事業営業利益に占める比率は55%になった。
このほか、マーケットプレース事業者向けサービス事業や広告事業なども、業績向上に寄与している。Amazonはマーケットプレース事業で、出品者に対し販売・物流サービス「Fulfillment by Amazon(FBA)」を提供し、手数料や各種サービスにかかる料金を得ている。この事業はAmazonの既存インフラを利用するため、利益率が高い。こちらの2018年4~6月期の売上高は、前年同期比で39%増加。また、主に広告事業からなる「その他」部門は売上高が2.3倍になった。このほか、有料会員プログラム「Prime」の会費や、ストリーミングミュージック/ビデオ、電子書籍、オーディオブックなどのサービス料金からなる「サブスクリプション・サービス」の売上高は同57%増加した。
本記事は、日経BP社の技術とビジネス変革の最前線を伝えるサイト「xTECH」向けに弊社が執筆した記事「薄利主義のAmazonが利益急増、巧みな投資戦略」の一部です。全文は、xTECHのサイトにてお読みください。