米ウーバーテクノロジーズは1月20日、インドのフードデリバリー(料理宅配)事業を地場の同業企業に売却したことを明らかにした。売却先は、米セコイア・キャピタルや中国アリババ集団などが出資するゾマト・メディア。ウーバーイーツ(Uber Eats)のインドにおける提携レストランや配達スタッフ、顧客はすべてゾマトが引き継ぐ。これに伴いウーバーはゾマト株式の9.99%を取得した。
ウーバーイーツ事業は依然として急成長中だが、近年は多額の出資を受けたスタートアップ企業が世界各地に登場し、同社のシェアを奪っている。米ニューヨーク・タイムズによると、インドのフードデリバリー市場はゾマトともう1社の競合「スウィギー」のシェアが合計で約80%を占める。スウィギーは南アフリカのナスパーズや中国の騰訊控股(テンセント)などが出資しているスタートアップ企業だ。
ニューヨーク・タイムズによると、ウーバーイーツのインド事業は2019年1〜9月の期間、取扱高が世界全体の3%だった一方、営業損失は全体の25%を占めた。同社はインド市場で多くの顧客や飲食店を獲得できなかったという。競合に対抗するため、同社は世界中で値引きやインセンティブの支払い、プロモーション展開などを余儀なくされている。だが、これらにかかる費用が同社の利益を圧迫している。
過当競争に陥る米国のフードデリバリー市場
フードデリバリー市場は過当競争に陥っており、上位数社しか利益を上げられない状況になってきたと指摘されている。米調査会社のセカンドメジャーによると、米国市場でシェア1位の企業は米ドアダッシュ。19年10月時点の同社のシェアは35%で、売上高は前年同月比114%増だった。これに次いだのが米グラブハブで、シェアは30%。この後にウーバーイーツ(同20%)と米ポストメイツ(同10%)が続いた。
本記事は、日経BP社の技術とビジネス変革の最前線を伝えるサイト「xTECH」向けに弊社が執筆した記事「窮地に立つ米ウーバー、料理宅配で「消耗」を重ね主力サービスにも暗雲」の一部です。全文は、xTECHのサイトにてお読みください。