米Apple(アップル)のスマートフォン「iPhone 14 Plus」が2022年10月7日に発売された。iPhoneの22年モデルは「iPhone 14」「14 Pro」「14 Pro Max」がすでに販売されており、これで計4機種すべて出そろった。
iPhoneは、20年に発売した「12」シリーズで初めて高速通信規格「5G」に対応しており、アップルが顧客に5G対応モデルへの買い替えを促すのはこれで3年目となる。だが、需要低迷やインフレ、通貨の高安など、スマホを取り巻く市場環境には逆風が吹く。14シリーズは過去2年のような好業績を示せるかどうかが試されるモデルになる。こうした中、アップルは主力事業のiPhoneで新たな施策を講じている。最新動向である「衛星通信」「広告事業」「インド生産」を見ていく。
iPhoneの「緊急SOS」でスマホの宇宙競争勃発
iPhone 14シリーズには衛星通信を用いた「Emergency SOS(緊急SOS)」機能が備わった。これは、海上や山間部など、地上の基地局では圏外になるような場所でも、衛星経由で事故や病気などの緊急通報が可能になるというもの。まず、iPhoneがいくつかの質問を投げかけて利用者の状況を判断する。その後、指示に従ってiPhoneを特定の方向に向けると、テキストメッセージの形でSOSを発する。これをアップルのコンタクトセンターが受け取り、スタッフが救助を呼ぶ仕組みだ。
アップルはこのサービスを22年11月に開始し、最初の2年間は無料とする。当初は米国とカナダのみのサービスだが、日本向けなどのiPhone 14にも衛星通信機能は備わっているとされる。今後サービス提供国が広がれば、iPhoneの新たな特徴の1つとなりそうだ。
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はこれについて、「iPhoneの衛星通信サービスによって、スマホの宇宙競争が始まった」と報じた。同紙によると、アップルはこのサービスを提供するため、19年から衛星通信企業各社と協議していた。その後、米衛星通信サービス会社のグローバルスターと独占契約を締結することに成功した。
本記事は、日経BP社の技術とビジネス変革の最前線を伝えるサイト「xTECH」向けに弊社が執筆した記事「アップルが参戦、iPhone 14の衛星通信機能で宇宙競争が激しく」の一部です。全文は、xTECHのサイトにてお読みください。