米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)は、AI(人工知能)を自社のさまざまなサービスや業務に活用したいと考えている。その中心分野が、検索、音声アシスタント、物流だ。電子商取引(EC)プラットフォームの商品検索を対話型にして利便性を高めるほか、AIアシスタント「Alexa(アレクサ)」の機能を向上させる。AIやロボットの活用で物流を変革し、配送の効率化を図る狙いだ。
米ブルームバーグは2023年5月16日、アマゾンがECプラットフォームの商品検索に、「ChatGPT(チャットGPT)」のような生成AIを導入する計画だと報じた。米Microsoft(マイクロソフト)や米Google(グーグル)が検索エンジンに生成AIを導入する中、アマゾンも対話型のAIを導入し、これらに対抗するという。
商品検索が対話型に
ブルームバーグが確認したというアマゾンの求人情報によると、アマゾンはシニアソフトウエア開発エンジニアを募集している。説明によると、同社が再構築中の「アマゾン検索」では、商品検索が対話型となる。顧客は商品に関する質問をしたり、商品比較したり、個別化された提案を受け取ったりできるようになるという。求人欄には「この構想をすぐにもお客様に提供したいと考えており、協力していただける最高の人材を探しています」「これは検索における一世代に一度の変革となるでしょう」という記述がある。
もう一方の求人情報では「新しいAI最優先の取り組み」と表示し、「非常に大規模な次世代の深層学習技術を利用して、検索方法を再構築・再発明します」と説明している。ブルームバーグによれば、アマゾンの広報担当者は求人情報についてのコメントを控えたものの、「私たちはすべての事業で生成AIに多額の投資を行っている」と述べた。
ブルームバーグは、対話型の商品検索は、アマゾンの主力小売りビジネスの要素を大きく変える可能性があると伝えている。近年、アマゾンのアプリやウェブサイトにある検索欄は、特定の商品を探している顧客にとって、ショッピングの「入り口」になっているからだ。アマゾンの出品業者に特化した検索・市場分析サービスを手がける米Jungle Scout(ジャングルスカウト)の調査によると、米国の買い物客の半数以上が、商品検索はまずアマゾンから始めると回答しており、アマゾンはショッピング分野でグーグル検索のシェアを上回っているという。
本記事は、日経BP社の技術とビジネス変革の最前線を伝えるサイト「xTECH」向けに弊社が執筆した記事「Amazonが独自の大規模言語モデルでAlexa強化、ECと物流の効率化を図る」の一部です。全文は、xTECHのサイトにてお読みください。