米Apple(アップル)には事業成長の鈍化に加え、生成AI(人工知能)開発へのメディア企業の反発や強まる政府の規制圧力といった課題が山積している。2023年9月末までの会計年度の売上高は、3832億8500万ドル(約55兆5800億円)で、前年度から2.8%減少した。米メディアによれば、売上高が前年度実績を下回るのは19年以来のことだ。
2024年は、9年ぶりに新カテゴリーの製品を投入するなど、新ジャンルの開拓で成長を図る考えだが、同社が挑む複合現実(MR)はまだ市場規模が小さい。加えて、米国・欧州・中国などの規制当局が自国製品の競争力確保や保護に向け、厳格な姿勢を打ち出している。
Vision Pro、9年ぶり新カテゴリー製品
アップルはこのほど、同社初のゴーグル型ヘッドマウントディスプレー(HMD)「Vision Pro(ビジョンプロ)」を24年2月2日に米国で発売すると発表した。1月19日から予約注文を受け付け、2月2日に全米の直営オンラインストアと実店舗で販売を始める。
同社が「Spatial Computer(空間コンピューター)」と呼ぶこの製品は、デジタルの映像世界に没入させる仮想現実(VR)と、目の前の現実風景にデジタル情報を重ね合わせて表示する拡張現実(AR)、を融合させた複合現実のヘッドマウント端末だ。新しいオペレーティングシステム(OS)「visionOS」を搭載しており、ユーザーは目、手、声を使って操作し、ゲームやエンターテインメント、ビジネス、教育分野など様々な用途に利用できる。
アップルによれば、動画配信サービス「Apple TV+」をはじめとする様々なプラットフォームのコンテンツを幅100フィート(約30メートル)相当の画面で視聴できる。
本記事は、日経BP社の技術とビジネス変革の最前線を伝えるサイト「xTECH」向けに弊社が執筆した記事「Appleの2024年、生成AI開発の遅れやビッグテックへの政府規制など課題山積」の一部です。全文は、xTECHのサイトにてお読みください。