先ごろ総務省がまとめた統計によると,日本におけるDSL(Digital Subscriber Line)サービスの加入者数はこの5月末で300万人超となった。昨年末時点では150万超だったので,わずか5カ月で倍増したことになる。つまりここ最近の日本ではDSLの加入者数が,なんと1カ月に30万人,1日にして1万人のペースで増え続けているのである。
こうしたことから最近は,「日本の驚くべきDSLの普及ぶりに米国が脅威を感じている」といった報道も見受けられるようになった。しかし筆者はその報道の趣旨とは別に,次のような疑問を抱いてしまった。「米国のDSLって日本のように盛り上がっているわけではないの?」—今回は米国のDSLサービス市場を巡る問題点について考えてみたい。
DSLの導入に先べんをつけた米国である。米国でも当然に大変な勢いで普及が進んでいると思っていた。しかし,いろいろ調べてみるとそれが思いのほかそうでもないことが分かった。最近発表された調査結果では,絶対数としては2002年3月末で488万4827回線と日本よりもずっと高い水準にある(掲載記事)。しかし,今年第一四半期における新規加入者数は約54万人。つまり1カ月に約18万人で,伸び率としては日本を下回っているのだ。
本記事は、日経BP社の技術とビジネス変革の最前線を伝えるサイト「xTECH」向けに弊社が執筆した記事「なぜ米国ではDSLが普及しないのか?」の一部です。全文は、xTECHのサイトにてお読みください。