筆者は北米に数年間住んでいたことがある。そのとき現地のFMラジオが大変充実していることに驚かされた。まず驚いたのはラジオ局の多さ。さらに特定ジャンル専用のラジオ局の存在である。しかもそのほとんどが,コマーシャル以外はトークなし。つまり音楽かけっぱなしという状態。筆者の好きなクラシック・ロックやジャズを本場の放送で思う存分楽しめる,と興奮したものである。
日本に帰国して,しばらく寂しい思いをしていたが,それも束の間。インターネットとブロードバンドの普及,そしてインターネット・ストリーミング放送(注1)の進歩で,インターネット・ラジオは瞬く間に広まり,今ではあの“本場の放送”が日本にいながらにして,簡単に聴けるようになった。
そんなありがたいインターネット・ラジオだが,米国ではこの5月21日を機に,ほとんどのラジオ局が廃業せざるを得なくなる。インターネット・ラジオ局に課せられる音楽著作権の使用料がこの日,決められるのだが,それが彼らのビジネス規模に比べて,非常に高額なものに設定される恐れがあるのだ。今回は米メディアの報道などを拾い,この危機に瀕している米国のインターネット・ラジオの状況をレポートしたいと思う。
本記事は、日経BP社の技術とビジネス変革の最前線を伝えるサイト「xTECH」向けに弊社が執筆した記事「米国のインターネット・ラジオ危うし,5月21日を境に99%が廃業か?」の一部です。全文は、xTECHのサイトにてお読みください。