データやアプリケーションは個々の端末のディスク内ではなく,遠く向こうの雲の上から降りてくる――。そんなコンピューティング環境の世界を表した言葉が,“クラウド・コンピューティング”。Googleをはじめ, Yahoo!, Amazon.com, eBay, Microsoftが,このクラウドを利用してさまざまなサービスを提供している。その分野は,検索エンジン,SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス),メール,電子商取引,企業向けアプリケーション・サービスなどと広範だ。
増え続ける膨大なデータを扱うため,各社は世界各地に巨大データセンターを持ち,それぞれを日々拡張させているのだが,その実体はあまり公表されていない。と言うのも,この手の情報は,企業の発表資料でもあまり触れられることがなく,入手しづらい。とりわけ多くが興味を持つGoogleの場合,IR(投資家向け広報)資料に情報をわずかばかり出している程度だ。
データセンターは重要な戦略事業
いろいろ疑問に思って調べてみたのだが,データセンターの業界誌,Data Center Knowledgeの記事を読んでみて,その疑問が氷解した。記事によると,Googleはデータセンターを重要な戦略事業ととらえ,同社の競争力維持のため,その規模や消費電力といった詳細の公表を控えている。競合企業にこちらの手の内を読まれてしまうからだ。そのため同社は,LLC(合同会社)を介してデータセンター事業を運営するなど,さまざまな施策で機密保持に努めているという。
本記事は、日経BP社の技術とビジネス変革の最前線を伝えるサイト「xTECH」向けに弊社が執筆した記事「データセンターは世界のはるか彼方へ,ネット企業の壮大なクラウド計画」の一部です。全文は、xTECHのサイトにてお読みください。