米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が米テスラの電気自動車(EV)に備わる運転支援システム「オートパイロット」の正式調査を開始した。調査の結果次第では、テスラに対しリコール(回収・無償修理)や新たな安全装置の導入を義務付ける可能性があるという。
停車中の緊急車両に衝突する傾向
米ニューヨーク・タイムズや米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、調査対象となるのは、2014年〜21年に製造された「モデル3」「モデルS」「モデルX」「モデルY」で、計約76万5000台。これらの大半は米国で製造された(図1)。
NHTSAはこれまでテスラのオートパイロットが関与したとみられる約25件の衝突事故を調査してきた。うち8件の事故で10人の死者が出た。中には運転席で寝ていたというものもあった。注意散漫だったり、完全に運転操作を放棄したりして起きた事故もあったという。
18年以降、パトカーや消防車などの停車中の緊急車両にテスラ車が衝突するという事故が11件あり、1人の死者が出た。米CNBCによると、これらの多くは夜間に発生し、緊急車両の警告灯や照明、路上のLED標識、三角コーンなどが関連している。テスラのオートパイロットはこれら静止物を判断できない可能性があると指摘されている。
ウォール・ストリート・ジャーナルは専門家の話として、テスラのシステムは通常の道路交通状況に対応するように設定されており、道路の1車線をふさいで停車する緊急車両への認識が不得意である可能性があると指摘している。
本記事は、「Yahoo!ニュース 個人」向けに弊社が執筆した記事「テスラのオートパイロットで死亡事故、当局が調査 運転支援システムとの関連、徹底分析へ」の一部です。全文は、Yahoo!ニュース 個人のサイトにてお読みください。